わたしの馬は――戦犯 倉庫から洋ナシをひとつ盗んだのだ 夜明けどきの銃殺 大きな墓、なまくらなシャベル
わたしは徴兵司令部からの電話で目覚めた。試練の8分が過ぎていった $\hspace{120 pt}$2月16日
墓石の冷たい町 素足で夜の短靴 ロシア大使館前の三百人 とても少ない三百人
遠い国境がどんほど鎮まりかえっていても 無線探知機の鈍い金属音 ミルクを飲んで夢を見ればいい おまえが描いた六時の町を
都合のいいことを望む希望は死んだ 雷雨に最後の木は倒れた おまえは遠い北方のどこかで卑劣に殺された 俺は報告する、遺体は発見された、魂は飛び去ったと
高柳聡子訳